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2016-11-21 10:00:00

  労使紛争や職場のトラブルなどでよく問題となるのが、「言った!」「言わない!」の争いになることです。一方が「〇〇と言われた」と言うの対して、もう一方が「〇〇なんて言っていない」とか「言うはずがない」と言って、話し合いが平行線になるような場合です。このような場合の多くは、言った人は「そんな意味では言ってない」と主張するのに対し、聞いた人は「そのような意味で聞いた」との主張となり、お互いの考え方や立場の違いがトラブルの原因になっています。お互いが「自分は間違っていない」「自分が正しい」と本気で思っているために、かえって事態を収拾することが難しい状況になるのです。したがって、この事態を打開するためには、お互いがこの「言った!」「言わない!」の論争から、いち早く抜け出すことが必要になります。お互いの考え方や立場に違いがあることを前提にして、お互いを非難し合うのではなく、お互いがこれから「どうするか」「何をするか」について、話し合えるようになることが必要なのです。
  同じ言葉であっても、言葉を発する人と聞く人の考え方や立場の違いにより、その言葉の意味や意図するものは全く異なることになります。自分が「言いたいこと」や「思ったこと」をそのまま発言することは簡単ですが、聞いた人が「どのように受け取るか」「どのように感じるか」を、常に意識して発言することが重要なのです。会社の経営者や管理職など、組織で責任のある立場の人には、「理解してもらうこと」「誤解を生まないこと」が自らの責務であることを十分に自覚し、自らの発言の影響や反響を常に認識した、責任ある発言が求められているのです。