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2017-04-07 10:00:00

 職場では新入社員を迎える季節となっておりますが、新入社員の定着率が企業や会社において、大きな問題となっております。入社3年以内に3割以上が退職するこの問題については、採用する側と採用される側の思惑の「ミスマッチ」が問題であるとの指摘がありますが、実際に新入社員が入社をして、最も大きなギャップを感じることは、採用と育成の「ミスマッチ」なのではないでしょうか。一般に多くの企業や会社では、採用の段階では学生時代の専攻や学部・学科にとらわれずに、人物本位やコミュニケーション能力、将来性や可能性を重視した採用選考が行われています。ところが入社をして一定の研修期間が終了すると、新入社員は職場に配属されて、直ちに成果や結果を出すことが求められるのが実態ではないでしょうか。そして、誰もが余裕のない今の職場では、新入社員が基礎的な能力や体力を備える時間は限られていて、疲弊する毎日の中で方向性を見失い、会社や上司に対する不信感を募らせた新入社員が、短い期間で退職を決断することは、当然の成り行きなのかもしれません。
 採用段階の評価基準と、実際に職場に配属された時点での評価基準のギャップは、社会経験の浅い新入社員にとっては非常に大きな問題です。また、新入社員に限らず、職場で働くすべての従業員にとって、「納得感」は非常に重要なことなのです。「今の若者は・・・」とか「ゆとり世代は・・・」などと言う前に、企業の社会的責任において「若者を使い捨てにしない」「若者を育てる」ための人的資源管理が、企業経営に求められているのです。