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2016-04-05 10:00:00
退職した従業員が、会社に対して未払いの残業代などを請求をするケースが増えてきておりますが、逆に会社が従業員に損害賠償の請求をするケースも増えきています。従業員が会社の機材を壊したとか、事故を起こして会社に損害を与えたような場合です。確かに従業員が会社に損害を与えた場合には、会社はその賠償を従業員に求めることは可能ではありますが、すべての責任を従業員に追わせることは問題となります。従業員に故意や過失が認められる場合であっても、会社の管理・監督責任や使用者責任などが問われる判例が多数になっています。また、賠償請求ではありませんが、仕事に必要な資格や講習の費用を従業員に負担させたり、退職時にその費用を会社に返還させるようなことも問題となります。いずれにしても、従業員が仕事でミスをしたら会社から賠償請求されるとか、仕事に必要な費用や経費を従業員が負担したり、退職時に返還させるような会社では、従業員は安心して仕事をすることなど出来ないのではないでしょうか。
会社と従業員は労働契約を締結する当事者であると同時に、信頼関係に基づく運命共同体であるはずです。一億総活躍社会のために、多様な働き方を模索することは非常に重要なことではありますが、会社と従業員との信頼関係の崩壊により「会社 VS 従業員」の構図に陥り、利益相反の関係となっている職場環境が問題となるのです。従業員が業務を遂行し組織に貢献するためには、会社と従業員の信頼関係の構築が大前提となります。従業員が「安心して、信頼して、愛着が持てる会社」とするために、職場環境の改善が求められているのです。