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2016-01-01 09:00:00

 希望退職制度や早期退職制度の名のもとに、会社の従業員に対する過度な退職勧奨や、従業員を精神的に追い込む退職強要が問題となっております。従業員が退職しない意思を示しているにもかかわらず、職場の上司や人事部に何度も呼び出されて繰り返し面接を受けたり、社外の再就職支援会社に行かされて、何度も説明を受けさせられるような場合です。また面接の時には、この制度に応募しなければ「解雇する」や「評価を最低にする」とか、「与える仕事がない」や「異動や出向させる」などと言われて、従業員が過去の経験や実績、人格までも否定されて退職に追い込まれるようなケースです。
 希望退職や早期退職の制度そのものに関しては、私自身がこの制度を利用して事務所を開設した経験から、人生の選択肢として検討する価値のある、有意義な制度であると考えます。しかし、会社がこの制度を利用して従業員に退職を強要したり、従業員の人格や人権を侵害して精神的に追い込むことを、組織として実施しているような会社の、一体どこに、CSR(企業の社会的責任)やコンプライアンス(法令順守)があるのでしょうか。
 この制度によって退職をするかしないかは、本人の意思で判断して決断すべきものです。他人が決めることではありません。ただその時に、会社が下した自分自身に対する評価をしっかりと受け入れることと、逆に、自分自身にとって今後も勤務を続けるだけの価値が、この会社にあるのかをしっかりと評価したうえで、最終的な結論を出すことが必要です。そして最も重要なことは、退職をするにしても、退職をしないにしても、自分自身がこれから「何をするのか」ということなのです。