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公益通報者保護法においては、「誰が」「どのような事実について」
「どこに通報するか」など、一定の要件を満たすものが公益通報とし
て保護の対象となります。
(1)通報者は「労働者など」
公益通報者保護法によって保護される通報者は、企業などの「労働者など」
であることが求められます。「労働者」には、正社員や公務員、派遣労働者、
アルバイト、パートタイマーのほか、取引先の社員・アルバイトなども含ま
れます。令和4年6月1日以降は、「退職者」つまり現に勤務先で働いてい
る労働者だけではなく、勤務先を退職してから1年以内の退職者や派遣先で
の勤務終了から1年以内の退職者も含まれます。さらに「役員」も含みます。
(2)通報内容は「特定の法律に違反する犯罪行為や過料の対象となる行為」
通報の対象となる事実(通報対象事実)は、一定の対象となる法律に違反
する犯罪行為もしくは過料対象行為、または最終的に刑罰もしくは過料につ
ながる行為であることが求められます。対象ではない法律に違反しても、そ
の通報者は公益通報者保護法による保護の対象になりません。
(3)通報先は「3つ」
通報先には下記の3つが定められています。この3つには優先順序がある
わけではなく、自分の通報したい先に通報することができます。なお、保護
されるための要件がそれぞれに定められています。
・事業者内部
公益通報者保護法に基づき、事業者は、組織内部で内部通報を受け付け
る窓口を設置することが義務付けられています。通報先の例としては、
そのような事業者内の内部通報窓口や、事業者が契約する外部の法律事
務所・通報専門業者などがあります。また、管理職や上司も通報先とな
る場合があります。
・行政機関
通報された事実について、勧告、命令の権限を有する行政機関が通報先
になります。一般には、通報対象事実に関連する行政機関と考えてもよ
いでしょう。もし通報しようとした行政機関が適切でなかった場合、そ
の行政機関は適切な通報先を通報者に紹介する義務があります。
・報道機関など
報道機関や消費者団体、労働組合など、そこへの通報が被害の発生や拡
大を予防するために必要であると認められるものが通報先になります。