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2018-01-05 10:00:00

 職場でハラスメントなどの問題が発生した場合に、会社の人事や総務部門の方からの、従業員の処分に関する相談が非常に多くなっております。ハラスメントの加害者である従業員に対して、けん責や配置転換、降格や解雇などの処分を会社が検討しているようなケースです。ただ、このような個人に対する「責任追及」や「懲戒処分」だけでは、本質的な問題解決にならないことを、会社として十分に認識する必要があるのです。事実、処分を受ける従業員のほとんどは「自分は悪くない」とか「自分の責任ではない」と思っており、会社の対応や処分に納得できずに、会社に対する不満や不信を増幅させているのが実態です。また、事実確認や実態把握が十分に行われることもなく、問題やトラブル発生を「見過ごし」「放置」し、「見て見ぬふり」をしていた職場環境に焦点を当てなければ、再発防止などあり得ないのです。
 たとえ、個人的な資質や能力が原因であったとしても、職場で発生する問題やトラブルは、すべて「会社の責任」であり「組織の問題」です。犯人探しによる「責任追及」や、従業員への「懲戒処分」だけで事態収拾を図ろうとする、その企業体質こそが問題となるのです。会社や職場で起きていることは、プラスもマイナスもすべて「会社の責任」であり「組織の問題」であるとの認識により、会社組織としての実態把握と再発防止に取り組むことが重要なのです。